お金がないけど仕事を辞めたい場合の対処法は? 失業保険についても詳しく解説

「仕事を辞めたい」と思った時に不安なことの1つと言えば、「お金」。

貯金がないと、次の仕事を見つけるまでの生活費はどうするか・本当に仕事を辞めて大丈夫か心配になりますよね。

そこで本記事では、仕事を辞めたいがお金が心配な時の対処法や失業保険の受給などについて詳しくまとめました。

お金の不安を解消して、明るい気持ちで退職したいという人は是非参考にしてみてくださいね!

仕事を辞めたいけどお金がない! 貯金なしの状態で辞めても大丈夫?

結論から言って、貯金なしで仕事を辞めるのは次のような人なら大丈夫です。

  • 転職先が決まっている/転職活動を進めていてもう間もなく採用が決まりそう
  • 親から援助を受けられる

つまり、「貯金がなくても生活資金を確保できる確証がある人なら大丈夫」というわけですね。

一方で、次の仕事が決まっておらず、親からの援助も受けられない人は、貯金なしで仕事を辞めるとアルバイトなどで食いつながなければいけません。かなり厳しい生活になるのを覚悟しておきましょう。

ちなみに、失業保険の受給資格がある人なら、「一定期間(給付されている間)は大丈夫」となります。次の章で失業保険について詳しく見ていきましょう。

仕事を辞めた後にもらえる失業保険(手当)とは?

「仕事を辞めたら失業保険がもらえる」と聞いたことがありませんか?

確かに仕事を辞めた後一定条件を満たせば失業保険はもらえますが、誰でももらえるわけではないんです。

「失業保険をあてにして辞めたのに、自分は受給の対象外だった…」なんてことにならないよう、受給条件や金額を確認しておきましょう。

失業保険(手当)の受給条件

失業保険は会社を辞めた人が誰でももらえるわけではありません。受給のための条件があるんです。

  1. ハローワークで求職の申込みを行い、就職への意思があるにも関わらず就職が決まらない「失業状態」にあること
  2. 雇用保険の被保険者である期間が一定期間あること

ここでいう「雇用保険の被保険者である期間」は、自己都合退職か会社都合退職かなど条件によって異なります。

  • 自己都合による一般的な離職(自らの意思による退職)…離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者である期間が通算12か月以上あること
  • 自分の意思に反する正当な理由(病気や家族の介護など)による離職…離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者である期間が通算6か月以上あること
  • 会社の倒産・解雇など会社都合による離職…離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者である期間が通算6か月以上あること

離職の日以前2年間に、被保険者期間(※補足2)が通算して12か月以上あること。
ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。

引用:ハローワーク インターネットサービス

つまり、新入社員が自己都合で半年で辞めても失業保険はもらえないということ。

特に新卒の方は受給条件に該当しないことが多いので、事前にしっかりと確認しましょう。

受給できる金額

受給できる金額は、年齢・退職前に受け取っていた賃金によって異なります。

「基本手当日額」は原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(つまり、賞与等は除きます。)の合計を180で割って算出した金額(これを「賃金日額」といいます。)のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)となっており、賃金の低い方ほど高い率となっています。

引用:ハローワーク インターネットサービス

ただし、基本手当日額は年齢ごとに上限額が定められています。次の金額以上はもらえません。

30歳未満 6,945円
30歳以上45歳未満 7,715円
45歳以上60歳未満 8,490円
60歳以上65歳未満 7,294円

ちなみに、失業保険の給付日数は年齢や被保険者期間によって90日~330日と定められています。

給付日数には限りがあるので、「失業保険がもらえるから大丈夫」とのんびりしていると、意外と早く給付が終わってしまうことも。

失業保険を当てにしすぎるとすぐにお金が無くなってしまう可能性もあるので、会社を辞めたい人は貯金する・転職先を前もって決めるなど事前に対策しておきましょう。

お金がない状態で仕事を辞めるには? 失敗しないための秘訣を紹介

会社を辞めたいのなら、貯金をしてある程度の期間の生活費を確保しておくことが理想です。

しかし、中には現在の収入・出費を考えると貯金が難しいという人もいるでしょう。

様々な事情で貯金できない人が、お金のない状態で仕事を辞めても失敗しないための秘訣をご紹介します。

仕事を辞めずに転職活動をするのが理想

どうしても貯金が難しい人は、仕事を辞める前に転職活動をして転職先を見つけておくのがベスト。

退職後すぐに転職できれば、収入が途切れることはないので、お金がない状態で会社を辞めても大丈夫です。

仕事と転職活動を両立させるのは大変ですが、金銭面を考えると1番いい方法だと言えます。

転職エージェントに登録しておく

「仕事が忙しすぎて、転職活動は無理…」という人もいるかもしれません。

そんな人は、まず転職エージェントへの登録だけでも済ませておきましょう。

実際に求人に応募しなくても、担当者と面談したり、興味のある求人を見つけたりすることで、退職後の転職活動がスムーズに行えます。

一時的にアルバイトをする

どうしても生活が苦しい場合は、一時的にアルバイトをするのもあり。

転職活動の合間のアルバイトはいい息抜きになり、精神的なストレス解消になることも多いですよ。長期ではなく、短期や単発などを組み入れながら生活費を稼いでみるといいでしょう。

ただし、アルバイトに精を出して転職活動がおろそかになってしまっては本末転倒。あくまでも転職活動をメインに、面接などが入らない日や時間にできるアルバイトを探してみるのがおすすめです。

可能なら親に援助してもらう

また、家族に相談して、可能なら援助を受けるのもいいでしょう。

実家が近いのなら、転職先が決まるまで実家に戻るのもいいかもしれません。特に家賃の高い首都圏で1人暮らしをしている人には、かなりの節約になるはずです。

ただし、いつまでも親の援助を頼りにするのはNG。親の面倒になるのは転職先を見つけるまで、と決めて転職活動にしっかりと取り組んでくださいね。

仕事を辞める前に退職後の生活設計を考えておこう

「貯金がないけど仕事を辞めても大丈夫だろうか…」と漠然と不安を抱えている人は、実際どれくらいの生活費がかかりそうかシュミレーションしてみるのがおすすめ。

一般的に、何もしない・何も買わなくても次に挙げる費用は絶対に必要となります。

  • 家賃
  • 食費・生活雑貨費
  • 光熱費
  • 通信費
  • 国民健康保険
  • 国民年金
  • 奨学金やローンの返済
  • 車の維持費

特に国民保険や国民年金は仕事をしている時に会社が納付してくれますが、退職後は自分で納付しなければいけません。

さらに、転職活動に必要な交通費などもかかってきます。まずは1ヶ月どれくらいのお金が必要か算出してみましょう。

次に、転職活動がどれくらいかかりそうか、収入を得られるまでどのくらいかかりそうかも見通しておきます。厚生労働省の調査によると、会社を辞めてから新しい転職先に就職するまでの期間は次のようになっています。

  • 離職期間なし…26.1%
  • 1か月未満…27.6%
  • 1ヶ月以上2ヶ月未満…13.7%
  • 2ヶ月以上4ヶ月未満…12.9%

参考:令和2年転職者実態調査の概況(個3.転職について)|厚生労働省(PDF)

多くの人が離職後1~4ヶ月程度で新しい転職先に就職しているので、3~5か月分の生活費を確保しておくといいかもしれませんね。

退職してからジリ貧で困らないためにも、生活費をある程度貯めてから退職することをおすすめします!

まとめ

以上、お金がないけど仕事を辞めたい場合の対処法についてご紹介してきました!

  • 貯金がなくても生活費を確保できるあてがあるなら退職してもOK
  • 仕事しながら転職先を見つけるのがベスト
  • 貯金がなくて会社を辞めたら失業保険やアルバイトで食いつながなければいけない

仕事をしていると、「もう辞めてやる!」と衝動的に退職を考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、実行に移す前に、「仕事を辞めて生活していけるのか」を冷静に考えてみてくださいね。

前もって転職活動を始める・少しでも貯金するなどして金銭面に余裕を持って、前向きな退職を目指しましょう!

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